【2027年問題】蛍光灯の製造中止理由とLED導入メリット徹底解説

2027年末に蛍光灯が禁止される理由とLED導入のメリット

この記事は、2027年末に蛍光灯の製造・輸出入が禁止されることに伴い、一般家庭や企業がどのようにLED照明に切り替えるべきかを解説します。
特に、蛍光灯の使用が水銀に関する国際的な規制に影響されていることや、LEDの導入によるメリットについて詳しく説明します。

2027年問題とは？蛍光灯の禁止に向けた背景

蛍光灯の製造中止に向けた背景

2023年11月の水銀に関する水俣条約第5回締約国会議で、すべての一般照明用蛍光ランプの製造・輸出入の廃止が2027年末と決定しました。
この背景には、環境保護の観点から水銀を含む蛍光灯の使用が問題視されていることがあります。
水銀は非常に有害な物質であり、環境や人体に悪影響を及ぼすため、国際的な取り組みが進められています。

水銀に関する水俣条約とは

この条約は水銀銀及び水銀化合物の人為的排出から人の健康及び環境を保護することを目的としており、採掘から流通、使用、廃棄に至る水銀のライフサイクルにわたる適正な管理と排出の削減を定めるものです。
この条約に基づき、各国は水銀を含む製品の製造や使用を段階的に廃止することが求められています。

2027年までの蛍光灯の生産終了

2027年末までに蛍光灯の生産が終了することが決まっています。蛍光灯の種類によって生産終了の時期が異なります。
直管蛍光灯と環形蛍光灯は「ハロりん酸塩蛍光体」を用いたタイプと、「三波長蛍光体」を用いたタイプが販売されております。蛍光灯例

2026年12月末まで	30W超え
	電球型蛍光ランプ (例EFA,EFG,EFD…）
	コンパクト形蛍光灯ランプ (例FPL,FDL,FML…）
	「ハロりん酸塩蛍光体」直管蛍光灯(例FL、FLR)丸形蛍光灯(例FL)
2027年12月末	「三波長蛍光体」直管蛍光灯 (例FL、FLR)丸形蛍光灯(例FL)

蛍光灯は使用してはいけないのか？

規制されるのは蛍光灯の製造、輸出入だけなので、流通在庫の販売購入、既存ランプの使用は規制対象外です。
ただし2026年から各メーカー製造を段階的に減少していくことが予想され流通在庫がなくなり次第、蛍光灯の供給が途絶えることになります。
これにより、早めにLED照明に切り替えることが重要です。LEDは長寿命でエネルギー効率が高いため、長期的なコスト削減にもつながります。
また、自治体によってはLED導入に対する補助金制度があるため、これを活用することも一つの手です。

LED照明のメリットと必要性

LED照明は、蛍光灯に比べて多くのメリットがあります。
まず、エネルギー効率が高く、消費電力が少ないため、電気代の削減が期待できます。
また、LEDは寿命が長く、蛍光灯が約12000時間なのに対し、LEDは約40000時間と約3倍長持ちです。交換頻度が少ないため、メンテナンスコストも低く抑えられます。長期的に見れば、初期投資を上回るコストメリットが得られるでしょう。

蛍光灯利用の照明器具からLED照明にリニューアルした場合の試算例

蛍光灯器具35台からLED照明器具35台に交換した場合、試算上約42％消費電力を低減できます。
日立参考画像

工事不要のLEDランプってどうなの？

蛍光灯の代わりにそのまま使用できるLEDランプがありますが注意が必要です。
LEDランプの種別選択を誤ったり施工方法の誤りや安定期の劣化による発煙発火など、本体の劣化により予期せぬ事故が起こってします場合があります。
また既に長期使用されている照明器具で、LEDランプに交換するとランプより先に本体が故障するリスクもあります。
照明器具とランプ合わせて交換をお勧めします。
もし既設の蛍光灯器具にG13口金直管LEDランプで交換する場合はJLMA301の規格に適合した製品の選定がおすすめです。
また日本照明工業会では、既設の蛍光灯器具のLED化改造工事をする際はガイド301を遵守することを推奨しています。
既設の蛍光灯器具にLED化改造工事を行うと、既設照明器具メーカの製品保証が適用外になります。
※ (一社)日本照明工業会規格：JLMA301 (AC直結 G13口金直管LED光源-安全規格)2020年11月制定
(一社)日本照明工業会ガイド：ガイド301 (既設の蛍光灯器具をAC直結 G13口金直管LED光源用に改造工事する場合の注意)2021年4月21日制定

LEDへの切り替えに向けて

LEDに切り替える際は、まず現在使用している蛍光灯の種類を確認し、それに合ったLED照明を選ぶことが重要です。
一般的には、蛍光灯の形状や明るさに応じたLEDランプを選び、事業所や工場など台数が多い場合等専門業者に相談することをお勧めします。

補助金や助成金制度の活用

LED導入に関する補助金制度や助成金は、各自治体で実施されています。
これを活用することで、初期投資を抑えることが可能です。
特に、中小企業や一般家庭にとっては、経済的な負担を軽減する大きな助けとなります。
具体的な制度については、各自治体のホームページを確認することをお勧めします。
参考：日本照明工業会LEDナビ「省エネの為の補助金情報」
https://www.jlma.or.jp/led-navi/contents/cont17_energySaving.htm

まとめ：2027年に向けた準備とアクション

2027年に向けて、蛍光灯からLED照明への切り替えは急務です。LEDの導入により、エネルギー消費の削減やコストメリットが得られるため、持続可能な社会の実現に向けた一歩となります。
今後の市場動向を見据え、適切な照明器具を選ぶことが重要です。
まだ蛍光灯器具をご利用の場合は早めにリニューアルを検討されることをお勧めいたします。