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エアコン施工時の電圧切替と専用回路増設に欠かせない工具

エアコン施工時の電圧切替と専用回路増設に欠かせない工具

この記事は、エアコン施工時の電圧切替と専用回路増設について解説します。
その際使用する工具についてお勧めしていきます。

なぜ電圧切替と専用回路が必要なのか

100Vと200Vの違いと専用回路の必要性

エアコンには100V仕様と200V仕様があり、特に14畳以上の大容量モデルは200Vが主流です。 100Vのエアコンには100Vのコンセント、200Vのエアコンには200Vのコンセントが必要になります。 200Vのエアコンに100Vのコンセントを使用することはできません。

専用回路の必要性:
エアコンは消費電力が大きいため、複数の照明器具やコンセントへ配線されている同じ回路を使用すると、 電力が足りなくなる恐れがあり、ブレーカーが落ちたり、配線が発熱、火災が起きる危険があります。 そのため、エアコンの仕様に必要な電力を確保するため必ず専用の回路(分岐ブレーカーからコンセントまで独立した配線)が必要です。 エアコンの据付説明書にも「必ず専用回路を使用してください」と注意書きがあります。 もしエアコンを取り付けたい部屋に専用回路がない場合は新たに専用回路を増設する必要があります。

必須資格:第二種電気工事士

エアコンの「設置」(室内機・室外機の固定や配管接続)自体に資格は必須ではありませんが、以下の電気工事を行うには、第二種電気工事士以上の資格が法律で義務付けられています。
・分電盤内での電圧の切換(結線変更)
・コンセントの交換(100V用から200V用へ)
・ブレーカーを介した専用回路の新設・増設
資格なしでの施工は違法行為(無資格工事)であり、重大な事故や火災の原因となります。

電圧切替工事の具体的な手順とチェックポイント

電圧切替を行う場合、下記の条件がそろっている必要があり、事前に確認が必要です。
・分電盤が単相三線式になっている
・エアコン専用回路になっている
・電圧切り替えを行うブレーカーが100V/200V兼用である

電力供給方式の確認
電力会社から電気を引込む方式は一般家庭の場合「単相二線式」と「単相三線式」となります。もし単相二線式で配線されている住宅に200V用のエアコンを取り付けたい場合、単相三線式へ切換工事が別途必要となります。合わせてアンペアブレーカーが30A以上なのか確認が必要です。
単相二線式・・・100Vのみ使用可能(配線が2本きている)
単相三線式・・・100V/200V共に使用可能(配線が3本きている)

エアコン専用回路の確認
エアコン専用回路があるか、ほかの家電製品やコンセントと共有されていないか確認が必要です。100Vから200Vへ電圧切換を行うとそのブレーカーが元で分岐している回路すべての電圧が200Vに変わります。誤って100Vの家電製品に200Vの電圧が流れてしまうと家電の故障や火災につながる危険性があります。

電圧切り替えを行うブレーカーの確認
分電盤の回路別の子ブレーカーには100Vのみ対応のもの(2P1E)と100V/200V兼用(2P2E)の2種類があります。200Vへ切り替える場合、100Vのみ対応のブレーカーの場合、200V兼用のブレーカーに交換する必要があります。 専用回路になっているか確認の為、電圧切替をするブレーカーだけを「切」にした状態で、テスターを使ってエアコン専用回路のコンセントに電圧が来ていないかを確認します。合わせて他のコンセントには電圧が来ているか確認します。その時電圧が来ていないコンセントがほかにもあった場合、回路が分岐されていて共有されている可能性があります。必ずほかのコンセントもテスターでの確認が必要です。

分電盤での結線変更(電圧切替)

分電盤のカバーを開け、作業に入る前にメインブレーカーを「切」にし、家全体を停電させます。各ブレーカーにテスターや検電ドライバーを当てて、完全に電圧が来ていないことを確認します。 ブレーカーの配線を取り外し、ブレーカーを取り外します。コンパクトブレーカーであれば切替釦を押しこむ、もしくは切り替えバーを変更して200V用にします。そして取り付け配線し直して、電圧を確認すると完了です

コンセント交換と配線処理

コンセント交換:
壁の既存100Vコンセントをプレートから外し、新しい200Vエアコンのプラグ形状に合った200V用コンセントに交換します。

ブレーカーを「入」にしてテスターで交換した新しいコンセントの電圧が正しく約200Vになっていることを確認します。

専用回路増設工事

増設工事の基本的な流れ

増設工事は、分電盤から新しい電線(VVFケーブル)を壁や天井裏、または露出配線で引っ張り、新しい専用コンセントを設置する大がかりな作業です。エアコンを1台増やすことで必要アンペア数が足りない、予備ブレーカーがなく空きスペースもない等、分電盤ごと新しくする必要がある場合があります。簡単な流れは下記になります 分電盤に新しい分岐ブレーカーを設置:200V対応のブレーカーを増設します。 VVFケーブルの配線:ブレーカーから室内機設置場所まで新しいケーブルを敷設します。 コンセント設置:終端に200V用のコンセントを取り付けます。 最終確認:テスターで電圧を確認します。

電圧切替・回路増設の検査で使用するツール

電圧切替工事や専用回路増設工事で特に必要となる、電気工事士にとって欠かせない工具を紹介します。

テスター(電圧計)
安全管理の最重要ツール。 活線状態での電圧測定、無電圧の確認、導通チェックに使用。測定を怠ると感電や機器破損につながります。作業前後の確認は必須です。
検電ドライバー
ネジや端子に活線(電気が来ている線)が接続されているか、簡易的に確認する。最終確認は必ずテスターで行いますが、補助的に使用します。

安全な工事がプロとしての信頼を作る

エアコンの電圧切替・専用回路工事は事前確認と安全措置を徹底することが重要です。 その為にもテスター等の工具は電気工事士の必需品といっても過言ではありません。いろんなテスターが発売されていますので自分に合ったテスターで安全な工事を行っていきましょう。