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感震ブレーカーの選び方・施工のポイントと製品比較

商品比較記事

感震ブレーカーの選び方・施工のポイントと
製品比較

今、感震ブレーカーが注目されている

2024年1月の能登半島地震以降、感震ブレーカーへの関心が急速に高まっています。輪島市で発生した大規模火災では電気に起因した火災の可能性が指摘され、「通電火災」という言葉がニュースでも広く取り上げられました。

行政も動いています。内閣府は「国土強靱化年次計画2024」に感震ブレーカーの普及加速を明記し、総務省消防庁は専門の検討会を立ち上げて普及推進の議論を進めています。自治体の補助金制度も全国に広がりつつあります。

ところが、内閣府「防災に関する世論調査(令和4年9月調査)」によると設置率は5.2%。さらに令和6年7~8月に1都9県を対象に実施された「首都圏の住宅における感震ブレーカーの普及状況等に関する調査」でも約20%でした。      つまり「必要性は広まっているのに、施工が圧倒的に追いついていない」のが今の状況です。

種類が多すぎて、どれを提案すればいいかわからない

感震ブレーカーには、大きく分けて3つのタイプがあります。分電盤内蔵型・分電盤後付け型・コンセント型です。さらにメーカーごとに製品が異なるため、「結局どれを選べばいいの?」と迷うのは当然です。

カタログを見ても、動作震度・感度設定・復帰方式といった専門用語が並んでいるだけで、現場の状況と結びつけて考えにくい。そこが悩みどころですよね。

施工後のトラブルや誤作動が怖い

「取り付けたあとにクレームが来たらどうしよう」という不安も、現場ではよく耳にします。誤作動で電気が止まった、逆に揺れたのに作動しなかった こういったケースへの対応が不安な方も多いでしょう。

この記事製品の選び方から施工の注意点などの情報を整理しました。


そもそも感震ブレーカーとは何か 仕組みと社会的背景を正しく知る

感震ブレーカーを紹介するうえで、まず「なぜ必要なのか」を自分の言葉で語れることが大事です。ここでは、背景と仕組みを整理します。

地震後の火災、その4割は「通電火災」が原因

地震による火災というと、ガス漏れや調理中の火が原因というイメージがあるかもしれません。でも実際には電気が原因の火災の割合が高いのです。

これを「通電火災(つうでんかさい)」といいます。地震で棚や家電が倒れ、電源コードが断線したり、ヒーターの上に布団が落ちたりした状態のまま電気が通り続けることで、火災が発生します。

阪神・淡路大震災(1995年)では、火災の出火原因の約61%、東日本大震災(2011年)でも、約54%が電気に起因した火災でした。避難して家を空けているあいだに、自宅から火が出る そういったケースが実際に起きているのです。

感震ブレーカーの仕組み 揺れを感知して電気を遮断するメカニズム

感震ブレーカーは、地震の揺れを感知すると自動的に電気を遮断する装置です。センサーの方式は主に2種類あります。

  • おもり式:揺れによっておもりが動き、物理的にスイッチをオフにします。構造がシンプルで故障しにくいのが特徴です。
  • 電子式:加速度センサー(揺れの大きさを数値で検知する部品)で揺れを測定し、設定した震度を超えたときに電気を遮断します。精度が高く、誤作動が少ないのが強みです。

どちらも「揺れを感じたら電気を止める」という点は同じです。ただ、精度・価格・設置環境の違いによって、向いている製品が変わってきます。

行政が普及を推進している理由と、今後の義務化の流れ

国土交通省は、住宅密集地での通電火災リスクを軽減するために、感震ブレーカーの普及を積極的に推進しています。2015年には「感震ブレーカー等の性能評価ガイドライン」を策定し、製品の品質基準を整備しました。

2026年1月には総務省消防庁や国土交通省などの関係府省庁が「感震ブレーカーの設置促進に向けた取組の強化」を合同で発表しています。

東京都・横浜市・大阪市など多くの自治体が補助金制度を設けており、住民が購入・設置しやすい環境が整いつつあります。義務化については現時点で全国一律の規制はありませんが、特定の地域や建物用途で設置が推奨・義務付けられるケースが増えてきています。

これは、電気工事士にとっては受注チャンスが広がっているということでもあります。


製品タイプ別・完全比較 現場状況に合った選び方の基準

「どのタイプを選ぶか」で、工事の規模も費用もまったく変わってきます。ここでは3タイプの特徴を整理します。

新設・リフォーム向け

【タイプ①】分電盤内蔵型 新設・リフォーム工事に最適

分電盤内蔵型は、感震機能を持つ分電盤そのものに交換するタイプです。

向いている現場
  • 新築住宅の電気工事
  • 分電盤の老朽化に伴うリフォーム工事
  • 高い信頼性が求められる物件(高齢者施設・賃貸物件など)
特徴とポイント
  • 動作精度が高く、誤作動が少ない
  • 設置後の見た目がスッキリする
  • 本体価格:3万~7万円程度(工事費別)
  • 電気工事士の資格と施工経験が必要
既存住宅への後付け

【タイプ②】分電盤後付け型 既存住宅への対応に強い

分電盤後付け型は、既存の分電盤に取り付けて感震機能を追加するタイプです。分電盤そのものを交換しなくていいので、工事規模を抑えられます。

向いている現場
  • 築年数の経った住宅で大きなリフォームが難しい場合
  • 費用を抑えたいが精度も確保したいケース
特徴とポイント
  • 本体価格:1万3万円程度(工事費別)
  • 取り付けには電気工事士の資格が必要
  • 既存分電盤との適合確認が必須
工事不要・簡易型

【タイプ③】コンセント型・簡易型 工事不要だが用途は限定的

コンセント型は、コンセントに差し込むだけで設置できるタイプです。工事不要なので、電気工事士の資格がなくても使えます。

向いているケース
  • 賃貸住宅で工事ができない場合
  • 「まず試したい」という方
特徴とポイント
  • 価格:3,000円1万円程度
  • 差し込んだコンセント1口のみ対応
  • 家全体を守るには不十分

施工前に必ず確認したい法令・規格・注意点

電気工事士資格が必要な工事・不要な工事の線引き

感震ブレーカーの工事は、タイプによって資格の要否が変わります。

資格が必要な工事
  • 分電盤内蔵型への交換工事(分電盤の取り替えを伴うため)
  • 分電盤後付け型の設置工事(分電盤内部の配線に触れるため)
資格が不要な工事
  • コンセント型の設置(コンセントに差し込むだけのため)

JIS規格・メーカー仕様書で確認すべきチェックポイント

製品を選ぶ際に、仕様書で必ず確認したい項目があります。

  • 動作震度:震度いくつで作動するか。一般的には震度5強以上が基準です。
  • 感度設定:固定か調整可能かによって、設置環境への対応力が変わります。
  • 復帰方式:自動復帰型か手動復帰型か。自動復帰型は利便性が高い一方、連続して作動するリスクもあります。
  • 対応負荷電流:分電盤後付け型は、既存分電盤の容量との適合確認が必要です。

JIS C 9335(家庭用及び類似の電気機器の安全性)や、内線規程の該当条項も確認しておくと、根拠を持った施工ができます。

知っておきたいデメリット

・誤作動の恐れ

感震機能付ブレーカーは震度5強相当で動作しますが、取付けした位置で感知をするため設置状況場所によって気象庁の発表する震度とは異なる震度で動作する場合があります。

地震波に類似した振動が発生する場所では感震機能が動作することがあります。特におもり型などの簡易型の場合地震以外の衝撃でも電源を遮断する誤作動が起こりやすいといわれています。

・停電時の対策が必要

感震ブレーカーが動作した場合、生命の維持に直結するような医療機器等への影響が考えられるため、使用には注意が必要です。 夜間に発生した際、停電により真っ暗で見えない中安全な非難が困難になる恐れがあります。夜間の照明確保のために、停電時に作動する足元灯や懐中電灯などの照明器具の準備が必要です。

・点検・交換が必要

地震発生時に正常に動作するためにも、定期的な点検と、耐用年数に応じた交換が必要です。一般的に10年程度での交換が推奨されています。 交換時期を過ぎると正常に動作しない場合があります。交換時期をお知らせする機能が付いている感震ブレーカーもあります。

自治体の補助金制度を確認しておく

製品・施工方法と並んで、施工前に必ず調べておきたいのが補助金制度です。東京都・横浜市・大阪市をはじめ、多くの自治体が感震ブレーカーの購入・設置費用に対して補助金を設けています。補助額は自治体によって異なりますが、1万~2万円程度になるケースもあります。

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